著作権、特許権は、いずれも人間の知的創作活動の成果を保護するための権利である「知的財産権」の一種ですが、かなり違いがあります。
最も大きな違いは、特許権が「アイディア」(技術的思想)を保護しているのに対し、著作権は「表現」を保護するものであるというところです。例えば、料理方法を解説した料理書は著作物として保護されますが、そこに書かれている料理の方法自体は「アイディア」であり著作権では保護されないことになります。
また、「アイディア」は考え出しただけでは権利がなく、特許庁が審査を行って、産業上利用可能な新規のものであると認められたものだけが登録され、特許権が付与されます。また、同一のアイディアを偶然複数の者が考え出した場合、先に特許庁に出願した者に権利が与えられることになっています。
一方、著作権は、「無方式主義」といって、申請や登録を行わなくても、著作物を創作した時点で自動的に創作した者に著作権が与えられます。また、他人の著作物と偶然同じような著作物ができた場合は、それぞれ別の著作物として権利が発生することとなっています。
そのほか、著作権には著作者等の人格的な利益を保護するための著作者人格権が認められていますが、特許権にはこのような権利はありません。原則的な保護期間も、著作権は著作者の死後70年ですが、特許権は出願の日から20年となっています。
ちなみに、管轄行政庁は著作権が文化庁で特許権は特許庁となっています。
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