青森県弘前市で開業している行政書士事務所です。

青森県行政書士会会員

 

行政書士 神 裕典事務所

 

〒036-8025 青森県弘前市大字南柳町6-1

TEL.0172-55-0401 FAX.0172-55-0401

 

  遺言(いごん)とは

・遺言者の明確な最終意思を確かめて、遺言に法的効果を与えようとする制度です。

 

・遺言は、要式行為であり民法に定める方式に従わなければ効力が有りません。

 

・遺言は、遺言者が死亡した後に効力が生じます。

 

15歳以上から遺言をする事が出来ます。15歳未満の人がした遺言は無効です。

 

成年被後見人が遺言する場合、事理を弁識する能力を一時回復している時であって、医師2人以上の立ち合いが必要です。

 

・遺言の方式は、普通方式特別方式の2つのグループに分かれます。

 

  遺言を残すには?

・遺言を残すには、遺産の分割方法を指定した「遺言書」を書面にしておく必要があります。

 

・遺言書には、普通方式として「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

 

※このサイトでは、秘密証書遺言の作成は割愛させて頂きます。

 

  各種遺言のメリットとデメリット

メリットデメリット
自筆証書遺言

・作成に費用がかからない

・家庭裁判所の「検認」が必要。

・紛失や偽造の危険がある。

・内容に不備があれば無効になる。

公正証書遺言

・遺言の有効性が確実。

・公正役場で保管するので安全

・作成には手数料がかかる。

秘密証書遺言

・第三者の代筆やパソコンでも可。

・遺言書の存在を明確にしつつ、内容は秘密にできる。

・家庭裁判所の「検認」が必要。

・紛失の危険がある。

・内容に不備があれば無効になる。

 

※「検認」による負担を相続人にかけず、遺言書の有効性を巡る争いを防ぐには、「公正証書遺言」が良いと思います。

 

  自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)の作成

・普通方式の遺言の1つです。公証人や証人は必要なく、遺言者が単独で作成できます。

 

・遺言者が全文、日付、氏名を自書し、押印します。

 

・封印の必要が無いので偽造の危険があり、又遺言書の存在を隠匿される危険もあります。遺言者の法律知識が乏しいと自筆証書遺言の要件を満たさず無効となることもあります。

  自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)作成の注意点

・全文、日付、氏名は、自書されなければならないので、他人の代筆、タイプライター、ワープロ、盲人点字器による遺言は無効です。
しかし、財産目録についてはパソコン等で作成したり、銀行通帳のコピーや不動産登記事項証明書等を添付したりして遺言書を作成できるように見直されるみたいです。(自筆証書遺言の方式の緩和施行日:2019年1月13日))

 

日付は、年月日まで確定できる程度の表示が必要で、「‥年‥月吉日」のような表示は無効です。

 

氏名は、遺言者の同一性が明らかになる程度のものであることが必要です。戸籍上の氏名を記載するのが普通ですが、通称、雅号、芸名等でも遺言書の他の記載と照らせば遺言者を特定できる程度のものであれば有効です。

 

押印は、実印、三文判はもとより、拇印でもよく押す印には制限がありません

  法務局における遺言書の保管等に関する法律について

相続法の大幅見直し(昭和55年以来約40年ぶり)により、公的機関(法務局)における自筆証書遺言の保管制度が創設されました。


・この制度の創設により法務局でも遺言書を保管できるようになりました。(自筆証書遺言のみ)
・法務局に保管された自筆証書遺言は家庭裁判所の検認を受けなくてすみます。(検認を受けなくても相続を証する書面として真正が担保される。
・相続登記や預金の解約が早期に行われる利点があります。

  自筆証書遺言の保管制度の創設

自筆証書遺言書保管制度について

 遺言は、相続をめぐる紛争を防止するために有用な手段です。そして、自筆証書遺言は、自書さえ出来れば遺言者本人のみで作成でき、手軽で自由度の高いものです。しかし、遺言者本人の死亡後、相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により改ざんされる等の恐れが指摘されています。
 この自筆証書遺言のメリットを損なわず、問題点を解消するための方策として、本制度が創設されました。

自筆証書遺言書保管制度の主な手続き

 遺言者の手続
・遺言書を預ける(遺言書の保管申請:手数料3,900円
・遺言書を見る(遺言書の閲覧:手数料(モニター)1,400円、(原本)1,700円
・変更事項を届け出る(住所等の変更届出:手数料無料
・預けた遺言書を返してもらう(遺言書の保管申請の撤回:手数料無料
 相続人の手続
・遺言書が預けられているか確認する(遺言書保管事実証明書の交付請求:手数料800円
・遺言書の内容の証明書を取得する(遺言書情報証明書の交付請求:手数料1,400円
・遺言書を見る(遺言書の閲覧:手数料(モニター)1,400円、(原本)1,700円

本制度をご利用いただくに当たって

  • ・手続に当たり、遺言書及び申請書又は各種請求書等は、事前の作成が必要です。事前に作成されていない場合、予約日に行っても、その日に手続が出来ないことがあります。

  • ・本制度は、全国の(地方)法務局で取り扱っています。

  • ・遺言書の用紙サイズは、A4サイズ以下で、文字の判読を妨げるような地紋、色彩等のないものを使ってください。(その他の注意事項

  • ・保管の申請等の手続は、遺言者本人が、法務局(遺言書保管所)に行っておこなう必要があります。

  • ・本制度の対象となるのは、自筆証書遺言に係る遺言書で、かつ、本制度において定められた様式に従って作成されたものであることが必要です。

  • ・法務局(遺言書保管所)から通知を受けた方は遺言書の閲覧等を行い、遺言書の内容を確認することができます。

手続の予約(※必須)について

  • ・本制度では、遺言書の保管申請、遺言書の閲覧請求等を始めとする法務局(遺言書保管所)において行う全ての手続について、予約が必要です。

  • ・これは、法務局(遺言書保管所)において行う手続について、それぞれ各種確認や手続の処理に、一定程度時間を要するため、手続の順番をお待ちいただくことのないようにすることを目的としています。

  • ・そのため、予約をせずに法務局(遺言書保管所)に行った場合、予約が優先されるため、長時間お待ちいただくことになったり、その日に手続が出来ないことがあります。

予約方法について

予約に関する注意事項について

  • 1, 予約時間を過ぎた場合、キャンセルされたものとして取り扱われることがあります。

  • 2, 予約は、申請その他の手続を行うご本人名でする必要がありますが、他人が予約(保管申請ではありません)をしてもよいみたいです。

遺言書の保管申請手続等

  1. 遺言書を作成

  2. 法務省令で定める様式により作成した無封のもの

  3. 遺言書の保管を申請

  4. 遺言者自ら
    @住所地若しくは本籍地、A遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管所に出頭して申請書を提出

  5. 遺言書保管官による審査

  6. 〇本人確認
    @日付及び氏名の自署、A押印、B加除訂正の方式が適合しているか審査

  7. 遺言書保管ファイルによる管理

  8. 遺言書を画像情報化して保存(遺言書原本は、別に保管)
     (※画像情報について、全国の法務局からアクセス可能)

    保管の撤回 → 原本を返還、情報を消去
    遺言者の死亡

  9. 遺言書情報証明書の交付請求・遺言書原本の閲覧請求等

  10. ・遺言者の相続人等は、遺言書保管ファイルに記録されている事項を証明した書面(遺言書情報証明書)の交付を請求
     (※当該遺言の遺言書保管所以外にも請求可)
    ・遺言者の相続人等は、遺言書を保管している遺言書保管所に原本の閲覧を請求
     (※政令で定める手数料を納付)

  11. 相続登記等の申請等

  12. 遺言書情報証明書により相続等遺言の執行

2020年7月10日制度開始

本制度では、
@自筆証書遺言に係る遺言書を法務局(遺言書保管所)で保管します。
A保管の際は、法務局職員(遺言書保管官)が民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認(全文、日付、氏名の自署、押印の有無等)をおこないます。
B保管する遺言書は、その原本及びデータを長期間(原本:50年、画像データ:150年)適正に管理します。
C相続開始後は、相続人等に遺言書の内容が確実に伝わるよう、証明書の交付遺言書の閲覧等に対応します。
D相続人等が遺言書情報証明書の交付を受けたり、遺言書の閲覧をした場合には、その他の全ての相続人等へ遺言書が保管されている旨が通知されます。
E本制度で保管されている遺言書は、家庭裁判所の検認が不要となります。

遺言の内容について、法務局職員(遺言書保管官)が相談に応じることはありません
※本制度は、保管された遺言書の有効性を保証するものではありません


詳しくは、法務省ホームページ

 

  公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)とは

普通方式の遺言の1つです。公証人役場において又は公証人の出張により2以上の証人の立ち合いのもと、遺言者が公証人に遺言を口授し、公証人が筆記して遺言者と証人に読み聞かせ、遺言者と証人が承認した後、各自署名押印した遺言です。

遺言書の原本は、公証役場に保管され、遺言者には正本が交付されます。

  公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)の作成方法

まず初めに遺言をする本人が公証役場(弘前公証役場の住所:〒036−8364青森県弘前市新町176の3)に行って、公証人に対して、自分が考えている遺言の内容を直接告げればよいです。

 

公証人に公正証書遺言の作成を頼む際には、あらかじめ下記のものを用意して持参します。

  1. 本人の印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
  2. 財産をもらう人が相続人の場合は戸籍謄本、その他の場合は住民票(あるいは住民票に代わる正確なメモ
  3. 遺言の内容が土地・家屋・マンションであるときは、その登記事項証明書固定資産評価証明書(又は固定資産税納税通知書に添付された課税証明書
  4. 証人2人を決め、証人の住所・職業・氏名・生年月日を書いたメモ(又は住民票)(なお、公証役場に紹介してもらう場合は不要)

詳しいことは、あらかじめ最寄りの公証役場にご相談して下さい。

 

  遺言書の作成例

 

画像

 

※自筆証書遺言を作成したい方は、自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)の作成を参照して下さい。

 

※公正証書遺言を作成したい方は、公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)の作成方法を参照して下さい。